子供が遊べる憩いの庭
小さなお子様が3人いらっしゃる施主様ご家族の、「子供が安心して遊べて、走り回れる、広くて管理に手の掛からない庭に改修したい」というご要望から、樹木を大々的に整理し、点在していた庭石を1か所にまとめ新たに据え直し、露地部分は敷石と砂利で覆い、広々とした憩いの空間を設けました。
サツキや木々の群生の裏側をすっきりと整理し、塀際を山林の抜け道のようにして全体を周回できる、回遊式の庭へ様変わりさせました。
庭の真ん中にどっしりと座るアイグロマツの気勢を受け止めるように、既存の石をダイナミックに据え直す。
敷石の隙間はタマリュウの草目地とすることで、板石45枚 延石37本という石材のボリュームを和らげ、周囲の植物との調和が庭として空間を一体化させる。
同じ形状の切石が色調をリズミカルに変え、現代的なパターンが生まれた。
また、お子様が成長された後も、鑑賞を愉しめるように景観を設え、且つ様々なご家族のレクリエーションに利用できる構成としました。
大胆な石組みから顔を出す、流木をあしらった筧から水が流れ落ちると、六甲山系、深山幽谷のせせらぎに涼を愉しむことができる。
前面の直線的な意匠に対し、変化をつけ円形を基調にした南側の敷石は、既存のピンコロ石を再利用し、打ち上げ花火をモチーフにした模様が子供の遊び心を刺激する。
雪見灯篭には夜間のみろうそくのようにゆらゆらと灯る明りをしのばせる。
お子様の成長とともに庭も育ち、その時代時代の様々な思い出の1ページに刻まれる1つの舞台になれると幸いです。